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施設の声

社会福祉法人 南高愛隣会
コロニーエンタープライズ 様

「適材適所」と「人間関係」が肝心。
いちばんやりたいことをしてもらいたい。

長崎県は雲仙岳の麓、風光明媚で水のきれいな環境で、そうめんやうどん、ラーメンなどの手延べ麺を製造している施設・コロニーエンタープライズ。知的ハンディキャップを持った29人の従業員が、毎日活き活きと働いているそうです。支援員である橋本さんと、営業担当の外山さんにお話を伺いました。

給料アップと社会保障が私たちの使命。

橋本さん

コロニーエンタープライズとは、どんな事業所ですか?

橋本さん:31年前から麺づくりを行ってきた事業所です。私たちは、障害のある方にお給料を払い、社会保障を行うことを使命だと思っているので、生産量と売上アップを目指してきました。最初はスタッフの数も今の半分以下でしたが、今、契約して働いている29名は全員、知的ハンディキャップのある方です。現場には他に支援員11名と、現場以外には営業担当など合わせて3名います。

生産量と売上アップのために、どういった施策を行っていらっしゃいますか?

橋本さん:生産量を上げるために人数をただ増やしても、一人当たりのお給料を増額することはできません。そこで、生産効率を上げるために無駄を出さないよう、製造工程を常に見直しています。昔ながらの製法を守りながら、適宜機械を導入して人件費を抑え、製麺技術を持つ支援員が工夫を凝らしているんです。しかし、売れないことには工賃は上がらないので、まず商品が美味しいことが大切です。経費は削減しつつも、良い原材料を使うことも大切にしています。

国家資格を目指す障害者を応援しています。

橋本さん

製麺技術を持った支援員さんがいらっしゃるのですね。

橋本さん:製麺技能士という国家資格を持った支援員が5名います。実は今、障害のあるスタッフの中にも、資格取得に向けて頑張っている人がいるんです。技能試験は合格して、あとは学科試験を残すのみです。技能試験は、健常者の方より優秀だと言われたんですよ。知的ハンディキャップを持っている人には本当に手先の器用な人が多いので、物作りはお手のものなんですね。障害を持ちながら国家資格を取る人がいることで、本人の意欲だけでなく他のスタッフのやる気にも繋がると思うので、学科試験もがんばって、ぜひ資格を取得して欲しいです。

障害がある方に向いている仕事というのがあるのですね。

橋本さん:作業工程が多い麺づくりは、知的ハンディキャップを持った人に向いていると思います。体を動かすことが得意で、手先が器用で、細分化して役割分担ができて、しかも作業にムラがないという、麺づくりに必要な要素を併せ持った人が多いんです。私がやると1時間で飽きてしまうような仕事を、半日でも集中力を途切らせずに、緻密に仕上げてくれます。むしろ、変化が苦手な人の方が多いので、地道な作業の多い製麺はぴったりです。各工程の係長は1日8時間、そのほかのスタッフも7時間、きっちりと働いていますよ。

支援員さんはどのようなことに気をつけていらっしゃいますか?

皆さんに得意なことと不得意なことがあるので、きちんと把握するため丁寧に面談をします。その人がいちばん得意なことを仕事にしてもらいたいので、この仕事はどう? こちらは?と、実際にやってもらいながらしっかりと向き合います。また、感情のコントロールが苦手な方も多いので、一緒に働く人との相性にも考慮が必要です。モチベーションを上げるために努力賞の賞状を作ったり、気持ち良く働いてもらう工夫をしています。おかげさまで、30年以上働いてくれている人もいます。

製品を磨き上げ、カタログで知名度アップ。

外山さん

営業面での努力にはどんなことがありますか?

外山さん:パッケージのデザインをリニューアルして、お客さんの目につくように工夫しています。また販路を拡大できるように営業活動をしていますが、これはなかなか難しいです。ですから、日々てまのカタログで認知度を上げてもらえて、ご注文をいただけてありがたく思っています。

作っている品物は、どんなものがありますか?

外山さん:9割がそうめんですが、おすすめは黒ごまそうめんです。他にお湯をかけて3分で食べられるにゅうめんなども人気があります。ぜひ召し上がってください。

今後の日々てまのカタログに関して、何かご要望はありますか?

外山さん:カタログを見ていて、たくさんの事業所があり、ほかの事業所もいろんな商品を出しているということが分かり興味深いです。ぜひ、ほかの事業所さんと交流をしてみたいです。特集記事で素敵に紹介してもらったのも嬉しかったです。ほかの事業所の特集も読みたいし、作業風景が見られるような記事があるとうれしいですね。