わたし達が知っている「しごと」にはちょっとゆかいな物語がある。日々のてまひまは、障害のある人が作った良いモノとそのストーリーをお届けします。
みなさんは「おいしいきくらげ」について考えたことはありますか?「障がい者の仕事場 きりかぶ」の喜見さんは、あることをきっかけにきくらげに興味を持ちます。「日本で食べられるきくらげの98%が中国産だということを知りました。安心安全に食べられる国産のきくらげは、ニーズがあるのじゃないかと思いました」。障害のある人達ができる仕事を増やしたいと考えていたこと、大分県玖珠町という水や空気がきれいな土地柄が後押しし、おいしいきくらげの生産に乗り出します。
喜見さんは農業大学校で教わり、水をやる回数や時間を工夫し、肉厚で食べごたえのあるきくらげを作ることに成功します。
こうして育てたきくらげは、生食用、乾燥、ピクルスとして販売しています。生食としてはごま油と醤油で刺身風に食べると美味。乾燥きくらげは戻して、卵と一緒に炒めたり、天ぷらにしたり。ピクルスは酢の物として食べても、細かく刻んでソースとして使ってもおいしく食べられます。
「きくらげは、きのこの一種です。風味がしっかりあるので、きのこと同じようにいろいろな食べ方ができます」とセンター長の堀さん。「低カロリーで、食物繊維たっぷり! 鉄分やビタミンも豊富なので、女性には特におすすめです」と教えてくれました。
「きりかぶ」では、作業の内容を細かく分けて単純化し、様々な障害の人が仕事を理解しやすく工夫しています。きくらげを洗う、乾燥させる、袋に詰める、シールを貼る、出荷準備をする。作業はいろいろあります。ある利用者は、やったことを次の日には忘れてしまうという特性があり、毎日同じことを一から説明する必要がありました。ところが少しずつ0が1になり2になり、いまでは出来ることが増えて包丁作業ができるまでになったそう。
「家にこもりっきりだった方が、きくらげの仕事が性にあったみたいで、外に出るきっかけにもなりました」と喜見さん。
「きりかぶ」は、他にも様々な仕事を請け負っています。地域の人が注文するお弁当の配食サービスから地元企業の清掃、最近は定期的に行われる認知症カフェで食べるお菓子の製造まで。
なぜこんなにいろいろな種類の仕事を?と尋ねると、堀センター長は笑顔でこう応えます。「地域の人たちから声を掛けてもらうと、まず『なんとかできないかな』と方法を考えるんです」。利用者に支払う工賃を、もっと上げたいという希望もあります。「だれでも初めてのことはできないものです。でも人と接して新しい作業を覚える中で、少しずつできることが増えていくと、生活がちょっと豊かになってくれたらなと思っています」。
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