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今回お届けする施設

わたし達が知っている「しごと」にはちょっとゆかいな物語がある。日々のてまひまは、障害のある人が作った良いモノとそのストーリーをお届けします。

ワークセンターがたっこ

地域で暮らし続けるためのドライフルーツ

乾かすものを探して

「ワークセンターがたっこ」で、ドライフルーツを作ることになる経緯がユニークでした。「実は先に食品用の乾燥機があったので、なにか乾燥して仕事になるものを探そうと思ったのです」と荒木さん。いまでは「がたっこ」内の「ドライフルーツ研究所所長」として活躍しています。様々な農産物を乾かすトライアンドエラーを繰り返し、定番&季節のドライフルーツを商品化しました。

今回、日々のてまひまに登場するのは、りんご、パイナップル、キウイと3種類の詰め合わせです。荒木所長によれば、そのままはもちろん、ワインなどに浸して食べるのもオススメだそう。

丁寧に手間ひまをかける

ドライフルーツの作業に携わる利用者は、現在10人ほど。手先が器用な人もいれば、不器用な人も。集中が得意な人がいれば、長時間コツコツが向いている人などいろんなタイプの人がいます。「一人で完結する仕事は少ないので、協力しながらじっくり作っています」とスタッフの小村さん。

乾燥機の網に等間隔に並べられたフルーツの様子に、丁寧な仕事ぶりが表れています。いまは干しいもづくりも研究中です。

イケてるドライフルーツ

ネーミングやパッケージにも力を入れています。佐賀県が行う「デザイン等魅力向上事業」に応募し、デザイナーの長末さんと商品名やプロジェクト名、パッケージデザインなどの検討を重ねました。「ビジュアル的にもおいしさが伝わりつつかっこいいものを」「この商品だけでなく、食品乾燥そのものに取り組んでいることがわかるようなデザインに」という意図を盛り込み、ドライフルーツ研究所を立ち上げ、商品名は「CARACCO」に。商品が呼び水となって、ドライトマトを作る依頼が舞い込むなど、新たな仕事につながり始めています。

「おいしかったから、買ってもいいですか」

こんなこともありました。支援学校を卒業し、今年の4月から「がたっこ」に通う清水さん。初めてもらったお給料で「試食した時においしかったので、ドライフルーツを買ってもいいですか」と、自分たちが作る商品を買って帰ったのだそう。「自分の作ったものをおいしいと思ってくれていて、とてもうれしいですね」とスタッフも顔をほころばせます。

地域で暮らし続けるために

「がたっこ」とは、干潟のこと。施設から数百メートル行くと、美しい有明海が広がっています。理事長の溝上さんは「障害のある人たちが地域で暮らし続けられるよう、施設を運営しています」と話します。外食したり、旅行に行ったり、野球観戦をしたり、趣味の買い物をしたり。健常者にとってあたり前のことが、障害者にとってハードルが高いこともまだまだ多くあります。「がたっこでは、これらを組み込みつつ、みんなが地域で楽しく暮らし続けられるよう、活動しています」。

デザイナーインタビュー

福祉とデザイン
商品を魅力的にするために、デザイナーと協業した話

長末 香織

ドライフルーツのデザインを担当されたデザイナーの長末さんに話を伺いました。

長末:がたっこさんとは、ドライフルーツを作ることは決まっていましたが、商品化はまだの時点からご一緒しました。そこで、目標設定から一緒に進めることに。いろいろ話し合って「イベントなどの直販の場は、“乾燥ができる”ことを伝えるおひろめの場に」「様々な野菜や果物の乾燥を仕事として受注することを、目標とする」ということが決まりました。
目標が「乾燥の仕事を受注すること>商品を売ること」なので、このプロジェクト全体を「ドライフルーツ研究所」と名付けました。

デザインのポイントはどんな点ですか?

長末:デザインそのものに活かすため、フルーツを製造時から輪切りにしてもらうことになりました。パッケージそのものに凝るよりも、断面が表に見えるいわゆる「断面萌え」だと、果物のおいしさが伝わると考えました。
販売時のブースやロゴ、パッケージ通してデザインの統一感を持たせました。20〜30代の人をターゲット据え、グレーをキーカラーに。単色だと印刷費が安く抑えられるのもポイントです。
実際にイベントへの出店後、「トマトを乾かしてほしい」という依頼が来たということで、これは嬉しいことですね!

福祉事業所と仕事をして、特に意図した点などはありますか?

長末:仕事を始める前に、デザイン費の考え方についてお話したことを覚えています。価格そのものを尋ねられたので、そもそもこの事業で得る収入をどのくらいに設定し、原価がこのくらいかかるので、デザイン費はいくらくらい割けそうという順番で考えましょうとお話しました。福祉事業所はどうしても商品そのものをたくさん作るのが難しいので、この観点を欠いてしまうと継続するのが難しいと考えています。

長末:なぜパッケージデザインをするのか?という動機についても話し合いました。商品そのものの魅力を増すのはもちろんですが、取り組み自体が「この事業所はアンテナを張って、センスを磨いている」という宣言になります。それが職員ひいては利用者のモチベーションそのものにつながると思うし、人手不足の福祉事業所にとっては職員の確保にも役に立つのではないかと考えています。

ドライフルーツ(りんご)/500円
ドライフルーツ(パイン)/600円
ドライフルーツ(キウイ)/600円

3種セット(りんご、パイン、キウイ)/1,700円

ワークセンターがたっこ

〒849-1221
佐賀県杵島郡白石町新拓1481番地
TEL 0952-84-3310

商品購入希望の方は、下記リンクよりお問い合わせください。
日々のてまひまマーケットは企業ごとに購入サイトが立ち上がり、
決められた期間内にて商品購入できる仕組みとなっています。
2023年度に関しては、九州圏内の企業・団体様のみ利用可能となりますが、
今後全国展開させていきたいと思っておりますので、
もしご興味持っていただけましたら、お問い合わせいただけますと幸いです。

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